発達障害は遺伝する?
- Colorful Kids
- 2024年10月25日
- 読了時間: 4分
最近では発達障害の診断数は増えていますが、未だに原因は解明されていません。
わからないことが多いので、その分憶測や誤解されやすいのが遺伝との関係性です。
そこで、現在判明している発達障害と遺伝の関係性について紹介していきます。
もくじ
発達障害は遺伝する?
発達障害が遺伝するかどうか気になっている人も多いと思いますが、今のところ「必ず遺伝する」というわけではありません。
しかし、発達障害と遺伝子というのは密接に関係しているのは事実です。
ただ、発達障害は遺伝子だけではなく様々な要因による影響もあるので、「絶対に遺伝する」もしくは「絶対に遺伝しない」とも言えません。

発達障害と遺伝子
発達障害と遺伝子は密接に関係しています。
しかし、特定の遺伝子だけが原因というわけではなく、また原因となる遺伝子というものも特定されていません。
さらに自閉スペクトラム症は、いくつかの遺伝子との関連性が報告され少しずつ解明されつつありますが、それでも環境との関係など複雑に絡み合っているので、完全に特定されているというわけではないんです。
遺伝に関わる父親・母親の影響
発達障害として推測されている遺伝子要因の中で、父親・母親の持つ要因についていくつかの可能性があるのではないかと言われています。
・父親からの影響
父親の年齢が高齢であるほど、自閉スペクトラム障害や総合失調症などの疾患を発症する確率が高くなると言われています。
ちなみに、父親の年齢が50歳以上の場合に、自閉スペクトラム障害を発症するリスクが高くなるという研究結果があります。
ただ、45歳から急にリスクが上がるのではなく、10歳上がるごとにリスクが少しずつ上がっていくということです。
・母親からの影響
妊娠中に母親が服用する薬によって発症するリスクが上がるという研究結果もあります。
ここで言われている薬は、バルプロ酸と呼ばれているものでてんかん薬に用いられていたり偏頭痛、躁状態の改善などに処方される薬です。
妊娠中に服用する薬が胎児に影響することがわかります。

発達障害が遺伝する確率
発達障害として推測されている遺伝子要因の中で、父親・母親の持つ要因についていくつかの可能性があるのではないかと言われています。
・親から子供
発達障害を持つ親の影響で発達障害児が生まれる確率は、現在わかっていません。
世界中で研究がされていますが、親から子供へ発達障害が遺伝する確率というのは算出できていないようです。
・兄弟から
自閉スペクトラム障害の兄弟間での遺伝性について、アメリカの研究で以下の研究結果が報告されています。
・一卵性双生児で1人が自閉スペクトラム障害で、もう1人も発達障害を発症する確率・・・77%
・二卵性双生児で1人が自閉スペクトラム障害で、もう1人が発達障害を発症する確率・・・31%
・兄弟に自閉スペクトラム障害があって、もう1人も発達障害を発症する確率・・・20%
遺伝子が同じである一卵性双生児であっても、2人ともが100%発達障害を発症するというわけではありません。
この結果から、遺伝子だけが要因として発達障害を発症しているわけではないとわかります。
発達障害は遺伝だけが要因ではない
発達障害の原因は1つではなく、遺伝子や環境など様々な要因が複雑に絡まり合っています。
要因には、遺伝子や親の年齢、妊娠中の環境・食事、出産時の合併症などが挙げられますが、どのように影響し合っているのかはまだ判明されていません。

まとめ
発達障害が遺伝するかは、現段階でははっきりとわかっていません。
生まれてみないとわからないというのが正直なところです。
また発達障害は、まだまだ未知の部分が多くて原因だけでなく治療法などもわからないことばかりです。
しかし、医療や研究が進展することにより、発達障害に対して「療育」という支援ができる仕組みができてきています。
いつか発達障害について解明されるまで、子供たちが最大限の可能性を発揮できるようにサポートできるように支援の輪を広げていけたらと思います。
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