将来の就職は大丈夫!? 障害者雇用枠とは
- Colorful Kids
- 2024年12月20日
- 読了時間: 6分
発達障害のある人や障害を持っている人の将来に対して、どうしても不安に感じる方が多いのではないでしょうか。
一般雇用で就職することも可能ですが、一般就職の他にも障害者雇用枠というものもあります。
しかし、この障害者雇用枠というのは誰でもOKというわけではなく条件があるんです。
そこで、障害者雇用枠について紹介していきます。
もくじ
・障害者手帳の種類と等級
障害者雇用枠とは
障害者雇用枠とは、そのままですが障害者を対象とした雇用枠のことを言います。
障害を持っている、持っていないに関わらずどんな人でも働くことのできる環境かつ、その人に能力に合った仕事や希望する仕事に就けるようにするため、国が障害者雇用対策の一つとして進めています。
国は企業に対して、企業内全労働者の2.5%の人数を障害者雇用枠で採用するよう推進しているんです。
そのため障害者雇用枠は、その人の特性に合わせるなど配慮した上で採用されます。

障害者雇用枠の条件
誰でも障害者雇用枠を利用できるわけではありません。
障害者雇用枠を利用するには、障害者手帳が必要になります。
この障害者手帳には、種類や等級があるので紹介していきます。
障害者手帳の種類と等級
身体障害者手帳
身体障害者手帳は、身体上の障害がある方に交付される手帳で、以下のような障害が対象となります。
・視覚障害
・音声、言語機能障害
・聴覚、平衡機能障害
・四肢の不自由
・免疫系や心臓、腎臓、膀胱、腸、肝臓などの内部障害
身体障害者手帳が交付されると、医療費の助成や税金の優遇、自動車の改造費や電車利用などの外出援助、手話通訳者や補整具の派遣費などの生活支援を受けられることがあります。
<等級>
身体障害者手帳では、1級〜7級に等級が分かれており、数字が小さいほど障がいの程度が重くなります。
全ての級で支援が受けられるのではなく、支援を受けることができるのは6級以上もしくは7級が2つとなった人です。
また、等級の階段は、項目によっても異なります。
・視覚障害・・・1級〜6級
・聴覚障害・・・2級〜6級
・上肢障害・・・1級〜7級
・心臓や腎臓などの内臓機能系・・・1級〜4級
1級の目安としては、視力が0.01以下とか両上肢もしくは両下肢が全廃しているなど日常制限が極度に制限されてしまうほどになります。
受けることができる支援というのは、自治体によって異なり、等級が重くなるほど手厚くなっていることもあります。
精神障害保健福祉手帳
精神障害保健福祉手帳は、精神障害がある方に交付される手帳で、全ての精神障害が交付対象になります。
・自閉症スペクトラム症、ADHD、学習障害などの発達障害
・てんかん
・総合失調症
・うつ病や双極性障害などの気分障害
・薬物依存
・高次脳機能障害
・ストレス関連障害
・上記以外の精神障害
精神障害保健福祉手帳が交付されると、他の手帳と同じように交通費の助成や税金や公共料金の減免などを受けることができます。
<等級>
精神障害者保健福祉手帳では、1級〜3級まで等級があり、精神疾患の状態と能力障がいの状況を総合的に判断され等級が決まります。
・1級:精神障害であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
・2級:精神障害であって、日常性月が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
・3級:精神障害であって、日常生活もしくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活もしくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの
※厚生労働省:精神障害者保健福祉手帳より引用
療育手帳
療育手帳は、知的障害がある方に交付される手帳で、自治体によっては「愛の手帳(東京)」や「みどりの手帳(さいたま)」など呼び方が異なり、交付対象は以下の通りです。
・児童相談所または知的障害者更生相談所にて知的障害と判断された
知能測定値だけが基準になっているわけではなく、日常生活での程度や社会性、医学的など総合的に判断されます。
知的障害は18歳未満の発達期に起こるので、発達期以外で病気や外相によって知的障害の低下が起きた場合は、場合により精神障害保健福祉手帳の交付がされることもあります。
療育手帳も、他の手帳と同じように交通費の助成や、税金や公共路ゆ金などの減免などを受けることができます。
<等級>
療育手帳の等級は、1級2級などではなく、重度「A」と重度以外の中軽度「B」の2種類で分けられており、自治体によってさらに細分化されているところもあります。
例えば、大阪ではA(重度)、B1(中度)、B2(軽度)です。

障害者雇用枠のメリット
合理的な配慮を求められる
障害者雇用枠で就職するメリットとしては、企業から合理的な配慮を求めることができることが大きいということです。
例えば、車椅子の人であれば時差出勤や作業スペースの確保、視覚障害の人であれば音声読み上げソフトの利用が可能、精神障害で曖昧な情報に対応できない人であれば具体的な内容や優先順位などを詳しく示してくれるなどがあります。
労働環境に不安を感じてしまう方は、障害者雇用枠で就職することも検討してみてはいかがでしょうか。
就職しやすい
一般雇用に比べて応募しやすい条件の企業が多いため、障害者雇用枠では就活しやすいというメリットもあります。
例えば、スキルの必要な企業であっても未経験可能であったり、求められるスキルが一般雇用よりも多くない場合も多いです。
障害者雇用枠のデメリット
職種が限定される
障害者雇用枠のデメリットとしては、職種が限定されて募集されることが多いというところです。
事務職やデータ入力作業、コールセンター、清掃職、工場内作業など軽作業がメインになります。
なぜ軽作業がメインになるかというと、身体的・精神的な負担が軽くて休暇が取りやすい仕事としてあげられることが多いからです。
まとめ
障害者雇用枠というのは、障がいの有無に関わりなく働く環境を整えるために国が推進している障がい者を対象とする雇用枠です。
障害者雇用枠で就活を行うためには、障害者手帳が必要になります。
障害者雇用枠で就職すると企業から合理的な配慮を求めることができたり就職しやすかったりとメリットが大きいです。
一般雇用で働くことに不安を感じてしまう場合は、積極的に障害者雇用枠で就活してみてはいかがでしょうか。

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