公園の遊具を「発達」の視点で見てみた
「公園に行くと、ずっとブランコばかり乗っているな」
「すべり台は大好きなのに、ジャングルジムには全然近づこうとしない」
なんて、お子さんの遊具の好みに疑問を感じたことはありませんか?
公園遊びは、子どもたちにとってただ楽しいだけの時間に見えるかもしれません。
ですが、発達の視点(作業療法などの考え方)から見てみると、公園の遊具には体の使い方やバランス感覚、手先の器用さなど、さまざまな力を育む要素がたくさん詰まっているんです!
さらに、「どうしてこの遊具ばかり選ぶのかな?」「なぜあの遊具は嫌がるんだろう?」と考えてみると、その子の得意なことや苦手なこと、得意な感覚を知る大切なヒントが見えてきます。
今回は、いつもの公園の遊具を「発達」という少し違った視点から覗いてみましょう!
もくじ
ブランコは「バランス感覚」を刺激する遊具
ブランコに乗って前後に大きく揺れるとき、子どもたちは倒れないように自然と姿勢を保とうとしています。
このときに大きく刺激されているのが、体の傾きやスピード感を感じ取る「前庭覚(ぜんていかく)」という感覚です。
前庭覚は、自分の体がどの方向にどれくらいの速さで動いているのかを把握し、全身のバランスを取るために欠かせない役割を果たしています。
ブランコに乗ると「もっと強く押して!」と何度もせがむ子は、この揺れる感覚(前庭刺激)を脳が求めていて、心地よさを感じている可能性があります。
一方で、揺れる感覚に対して非常に敏感で、ブランコを怖がるお子さんもいます。
感覚の受け取り方には個人差が大きいため、無理に慣れさせようとするのではなく、その子が安心して楽しめる範囲から少しずつ経験していくことが大切です。

すべり台では「自分の体の位置を知る力」を使っている
階段を順番に上り、頂上で向きを変えて座り、体幹を支えながら滑り降りる。
何気なく楽しんでいるすべり台ですが、実はいくつもの複雑な動きをスムーズに組み合わせているんです!
階段を上る際には手と足をタイミングよく連動させ、滑るときには姿勢が崩れないように全身の筋肉をコントロールしています。
またこのとき、関節や筋肉からの情報によって「自分の手足が今どこにあって、どれくらい力が入っているか」を脳で感じ取る「固有受容覚(こゆうじゅようかく)」もフル活用されています。
「上る→座る→滑る」という一連の動作を何度も繰り返すことは、自分の体を思い通りにコントロールする素晴らしい練習になりますよ。
ジャングルジムは「次の動きを計画する」知的な遊具
ジャングルジムで遊ぶときは、「次はどこに手を伸ばそう?」「どこに足を置けば上に登れるかな?」と、目で見ながら頭の中で動きを組み立てて体を動かしています。
右手と左手、右足と左足を別々に協調させて動かす力はもちろん、自分と遊具との距離感を正確につかむ空間認識の力も求められます。
さらに、「ここを固く握ったら、次はあそこに足をかける」というように、目的の動作に向かって体の動きを計画する知的なプロセスも働いています。
最初から頂上まで高く上る必要はまったくありません。
まずは低い一段目に足をかけてみるなど、小さな成功体験(スモールステップ)を重ねて「できた!」という自信を育んでいきましょう!

鉄棒は「手で握る力」や「体を支える力」を育む
鉄棒にぎゅっとぶら下がるだけでも、指先で握り込む力(握力)や、腕、肩まわり、お腹や背中の筋肉(体幹)をしっかりと使っています。
鉄棒というと「逆上がりができるかどうか」に注目が集まりがちですが、発達支援の視点では、ぶら下がる、足を地面から浮かせてみる、体を前後に揺らしてみるといった遊び自体がとても価値のある経験です。
まずは「3秒間ぶら下がってみる」といった簡単なところから始めて、お子さんが無理なく達成感を得られる遊び方を見つけてあげてくださいね。
砂場は「指先の器用さ」と「触覚」を育てる宝庫
砂場も、子どもの発達にとってメリットの大きい遊びの寶庫です。
砂を力いっぱい握る、スコップで上手にすくう、型に詰めて固める、水を混ぜて泥んこを作る……といった動作では、指先を細かくコントロールする「微細運動」の力を自然と使うことができます。
また、サラサラした乾いた砂や、ずっしり重い湿った砂、冷たい水など、さまざまな質感に触れることで皮膚の「触覚」もしっかり刺激されます。
ただし、感覚過敏の特性があるお子さんの中には、手に砂や汚れがつく感覚をとても不快に感じて嫌がる子もいます。
「みんな遊んでいるから」と無理やり砂に触らせるようなことはせず、スコップや型抜きなどの道具を使ってみるなど、その子が安心して楽しめる工夫を取り入れてみましょう!

放課後等デイサービスでも「遊び」の中に成長のヒントがある
放課後等デイサービスでは、公園などでの「遊び」も子どもの成長を促す大切な支援活動の一環として位置づけています。
同じ公園に出かけたとしても、一人ひとりが必要としているサポートや遊びのねらいは異なります。
身体の使い方や感覚の統合に難しさがある子には、取り組みやすい動作から少しずつ経験してもらい、感覚に敏感なお子さんには無理のない穏やかな活動を提案します。
個別支援計画に基づきながら、お子さん自身の「楽しい!」「やってみたい!」という意欲を一番に尊重し、確かな「できた!」という経験へとつなげていきます。
まとめ
ブランコ、すべり台、ジャングルジム、鉄棒、砂場など、いつも通っている身近な公園には、子どもの健やかな発達を支える要素がたくさん散りばめられています。
ここで大切なのは、「この遊具で遊べないからダメ」と結果だけで判断することではありません。
「この子は揺れる感覚が好きなんだな」「高いところに登るのは慎重なタイプだな」とお子さんの様子を観察してみることで、その子の体の使い方や感覚の特性、得意・不得意をやさしく知るきっかけになります。
放課後等デイサービスでも、遊びの中で見せるお子さんの生き生きとした姿を大切にしながら、一人ひとりの特性に合わせた丁寧な支援を行っています。
いつもの公園も少しだけ視点を変えて見てみると、お子さんが楽しみながら一生懸命にたくさんの力を使っている素敵な姿に気づけるかもしれませんね!
大阪市 北区/西淀川区 【英語療育・運動あそび】






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