支援で使えるABAのテクニック5選
- Colorful Kids
- 5月27日
- 読了時間: 4分
発達支援をしている中で、「ABA」という言葉を耳にしたことありませんか?
「名前は聞いたことあるけど、実際どう使うの?」と思う方も多いはず。
ABA(応用行動分析)とは、心理学と行動科学の考え方をもとに、発達障害のある子どもたちの困りごとや行動改善を目指す、とても有効なアプローチです。
今回は、支援の現場ですぐに取り入れられるABAのテクニックを5つ、ご紹介していきます。
もくじ
・褒めるタイミングを工夫する(強化子)
・スモールステップで教える(行動の分割)
・お手本を見せて学ばせる(モデリング)
・適切なヒントやサポートを加える(プロンプト)
・客観的に支援する(行動の記録と振り返り)
ABAとは
ABA(応用行動分析)とは、発達障害のある子どもたちの困りごとや行動を理解し、心理学と行動科学の理論をもとに支援を行う方法です。
社会的スキルやコミュニケーション能力の向上、問題行動の改善などを目的として、子ども一人ひとりの行動に合わせた支援が可能です。
ABAは、専門的な支援の現場はもちろん、家庭でも実践できる方法として広く活用されています。

ABAテクニック5選
・褒めるタイミングを工夫する(強化子)
子どもが望ましい行動に対して、適切なタイミングで褒めることは、ABAにおける「強化子」の基本的な考え方です。
この“タイミング“が非常に重要で、子どもが「これをすれば褒められる」と感じることで、よい行動が定着しやすくなります。
例えば、お手伝いをしてくれた直後に「ありがとう!すごい助かったよ!」と声をかけたり、ご褒美としてシールやお菓子を渡すなどが効果的です。
また、お友達と仲良く遊んでる場面では、その場ですぐに「今日は仲良く遊べてるね、えらいね!」と褒めてあげましょう。
後から褒めるのではなく、“その瞬間に“褒めることが、子どもの行動を強化する上でとても大切です。
・スモールステップで教える(行動の分割)
子どもの目標達成や問題行動の改善を目指す際には、課題をできるだけ細かいステップに分けて教える「スモールステップ」の考え方が効果的です。
一度に大きなことを求めるのではなく、小さな成功体験を積み重ねることで「できた!」という自信や達成感を持たせることができます。
例えば、「朝の支度を自分でやる」という目標がある場合、「服を選ぶ」「着替える」「歯を磨く」といった行動を順番に分けて、一つ一つ練習していく方法です。
細かく分けることで成功のハードルが下がり、子どもが楽しく取り組めるようになります。
・お手本を見せて学ばせる(モデリング)
何かを教えるとき、ただ口で説明をするだけでなく、まずお手本を見せてから真似してもらう「モデリング」の手法が有効です。
例えば、「ジャンプしてみよう」と声をかける前に、大人が実際にジャンプして見せてから「次はやってみようか」と促すことで、子どもはイメージしやすくなります。
発達に特性のある子どもは、行動のパターン(レパートリー)が少ないことがあります。
お手本を見ながら真似することで、新しい行動を学びやすくなるうえ、「真似をするスキル」自体も育てることができます。
・適切なヒントやサポートを加える(プロンプト)
「もうちょっとでできそう!」って時に、ちょっとだけヒント出してあげるサポートである「プロンプト」を用いると効果的です。
例えば、「靴を履こうね」と声をかけてもなかなか動けない時に、「この靴、どっちの足だったかな?」と軽くヒントを出してみたり、手を添えてあげたりするなど。
いきなり全てを教えるのではなく、「自分でできた!」と言う気持ちを大事にしながら、必要なサポートだけをプラスするのがポイントです。
徐々に、ヒントは減らしていくのが理想的なので、最初はたくさん手伝って、できてきたら手伝うことはせず、見守っていきましょう。
・客観的に支援する(行動の記録と振り返り)
「なんだか今日はうまくいかなかったな」とか「この前はできてたのに、今日はダメだった」って感覚だけで判断してしまう時に、行動の記録と振り返りはとても大切です。
子どもの行動を、できるだけ客観的にメモしておくことで「どんな時にできたのか」「何があるとスムーズだったのか」などが見えてきます。
例えば、「朝の準備は声掛けが5回目でできた」「お友達とトラブルになったのは午後の遊び時間だった」「ご褒美があった日は最後まで集中できた」など。
こういった小さなデータを振り返ることで、「この子にはこういう支援が合うんだな」とわかってくるので、支援のやり方もレベルアップすることができます。
メモは詳しく書く必要はなく、ざっくりで大丈夫です。
スマホのメモに記録したり、支援ノートに書くなどがおすすめです。

まとめ
ABAのテクニックは、ちょっとした工夫で子どもたちの「できた!」を引き出す手助けになります。
タイミングよく褒めることや、ステップを細かくすること、お手本を見せることなど、すぐに実践できるものばかりです。
家庭でも取り入れやすい方法なので、まずは1つから気軽に始めてみてくださいね。
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