ADHDは「興味あることには極度に超集中」することがある サポートすべき?やめさせるべき?
- Colorful Kids
- 7月30日
- 読了時間: 4分
「ゲームに夢中になって呼んでも返事しない」
「好きなことには何時間でも集中するのに、他のことは全然…」
そんな子どもの様子に、戸惑った経験はありませんか?
これはADHDの特徴のひとつである“過集中”と呼ばれる状態かもしれません。
今日はこの“過集中”について、サポートすべきなのか?やめさせるべきなのか?その見極め方と対応のコツを解説します。
もくじ
ADHDの「過集中」ってどういうこと?
ADHD(注意欠如・多動症)というと「集中力がない」「すぐ気が散る」といったイメージを持たれがちです。
でも実はその裏に、ひとつのことに“ものすごく集中しすぎる”という特徴もあるんです。
これが、いわゆる「過集中」。
興味のあることや好きなことに対して、周囲が見えなくなるほど集中し、数時間経っても気づかない…ということも珍しくありません。
なぜ「過集中」が起こるの?
ADHDの脳は、刺激への反応の仕方が独特です。
特に「報酬系」と呼ばれる脳の働きが関係しており、面白い・好き・気になるといった刺激に対して強く反応する傾向があります。
つまり、
・興味が持てない → 注意が向かない
・興味がある → 注意が極端に集中する
この“差”が厳しいのが、ADHDの特徴のひとつです。

サポートする?やめさせる?どう見極めればいい?
【基本スタンス】“悪いこと”とは限らない
過集中は一見ネガティブに見えますが、それが才能として伸びることもあります。
創造力や技術力が発揮されるのは、こうした集中力が活かされた結果でもあるのです。
ただし…
集中している内容や、時間・体への影響によっては注意が必要です。
【判断ポイント】こんな時はサポート・調節を
過集中が見られたときに、サポートするべきか、やめさせるべきかを見極めるポイントはいくつかあります。
まず、過集中している内容が建設的かどうかが重要です。
例えば読書や絵を描く、工作、プログラミングなど、学びや創作に結びつくような内容であれば、ある程度集中を見守ることが有効です。
その代わり、時間を区切ったり、切り替えを促す工夫は必要になります。
一方で、食事や睡眠を忘れるほどの集中になっている場合は注意が必要です。
身体のリズムが乱れてしまうと健康に影響するため、タイマーを使うなどして、無理のない範囲で集中を切る工夫を取り入れましょう。
また、ゲームや動画視聴など、刺激が強くて長時間続けると生活の支障が出る内容の場合は要注意です。
その場合は「ただ禁止する」のではなく、子どもと一緒にルールを決めて取り組むのが効果的です。
「◯時までに終わろうね」「ご飯の前にはやめよう」といった、明確で具体的なラインを設けることで、過集中と上手に付き合えるようになります。
親や支援者ができる3つの工夫
タイマーを使って時間管理を“見える化”
過集中のある子は「今どれだけの時間が経ったか」に気づきにくい傾向があります。
キッチンタイマーやアプリで視覚的に時間を知らせるのが効果的。
区切りを決めてから始めさせる
「◯時になったらやめようね」「1時間だけね」と始める前に約束を決めるのがポイント。
終わりを見通せると、切り替えがしやすくなります。
過集中を“強み”として認めてあげる
「集中できてすごいね!」「その作品、見せて!」など、ポジティブな声かけを。
否定せずに見守ることで、自信につながりやすくなります。

まとめ
ADHDの「過集中」は、一見すると困った特徴のように見えるかもしれません。
でも実はそれは可能性のカタマリでもあります。
大切なのは、「やめさせる」ではなく、“どうしたら安全に・健やかに付き合っていけるか”を一緒に考えること。
過集中とうまく付き合う工夫を取り入れながら、お子さんの好きなこと・得意なことを伸ばすチャンスに変えていきましょう!
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