VRを使ったSST発達支援のメリット・デメリット
- Colorful Kids
- 2024年8月2日
- 読了時間: 3分
発達支援にVRを使ったSSTが導入されてきているのをご存知でしょうか。
VRは様々なコンテンツが広がっているのは知っている方も多いかもしれませんが、発達支援との関連性はまだまだ認知度が低いです。
そこで、VRを使ったSST発達支援のメリットとデメリットについてご紹介していきます。
もくじ
VRとは?
VRとは「バーチャルリアリティー」の略で、ゴーグルのようなものを付けると目の前に映像が映し出されるシステムです。
限りなく実体験に近い体験が得られるということで定評があり、リアルな現実のように感じられる機械となります。
ゲームや映画鑑賞、旅行体験などエンターテイメントに特化したものが人気で普及しています。

SSTとは?
SSTとは「ソーシャルスキルトレーニング」の略で、「社会生活スキルトレーニング」とも呼ばれています。
主に、社会における対人関係を円滑にするためのスキルを身につけることが目的です。
具体的には「挨拶」「要求や気持ちの伝え方」「他者への共感」など、人とうまく関わる方法を身につけるための訓練となります。
社会生活を送る中で自然と養われる場合もありますが、発達障害や特性によってはうまく身につけられずにトラブルに繋がる場合もあります。
そのため一人一人の苦手な分野を見極め、適切なトレーニングを行うことでコミュニケーションの困難を改善していくことが大切です。

VRを使ったSST発達支援のメリット
臨場感のある状況をリアルに体験できる
成功の疑似体験ができる
視線などを記録、数値化できる
支援者の指導内容に左右されない
やはり最大のメリットは、口頭やイラストで説明するよりも臨場感のあるリアルな体験ができる点です。
目の前で起きていないことをイメージするのが難しい子にとっては、とてもわかりやすく学ぶことができるでしょう。
普段はできないシチュエーションの中で成功体験が得られたり、視線が数値化されることでどのぐらいできているのか確認したりもできます。
また、支援者によって内容や質が変わるといった心配もないので、一貫した支援が受けられることも大きな利点と言えます。

VRを使ったSST発達支援のデメリット
シチュエーションに限りがある
支援者とのコミュニケーションが減る
深い学びに繋がる支援が必要
装着が難しい場合がある
体験できるシチュエーションはVRにプログラムされたもののみに限られているので、現実で起きる他の出来事に対応できるかどうかは課題となるでしょう。
VRでSSTを行っている間は支援者とのコミュニケーションはないため、表情を見たり質問をしたりしながら進めることができなくなります。
擬似体験で全て完結することはなく、その後に実際の場面における深い学びになるよう繋げていく指導力が支援者には必要と言えます。
また、VRは重みや圧迫感があるので、発達障害や特性のある子どもにとっては不快感となり装着自体が難しい可能性も想定しておかなければなりません。

まとめ
VRを使ったSST発達支援は、最新のテクノロジーを導入した新たな発想だと感じます。
日々の発達支援がマンネリ化せず、子どもたちにとってもAIやITに触れるワクワクする体験となるでしょう。
しかし、メリットと同時にデメリットも多くあるので、まだまだ導入するには課題が出てくるのも現状です。
これまで以上に技術が発展してより良い支援に繋げられれば、可能性がさらに広がる未来が期待できるのではないでしょうか。
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