児童発達支援の基礎知識
- Colorful Kids
- 2024年7月16日
- 読了時間: 4分
更新日:2024年8月1日
子どもや障がいについて調べている時に、「児童発達支援」という言葉を目にした保護者の方もいるのではないでしょうか。
通っている幼稚園や保育園、クリニックなどで紹介されたことがあっても、
「実際にどんなサービスを受けられるの?」
「利用対象や料金がわからない」
など疑問に思う方も多いかもしれません。
そこで、児童発達支援とはどのようなサービスなのか基礎知識をわかりやすくご紹介します。

もくじ
児童発達支援とは?
児童発達支援とは、児童福祉法に基づき集団及び個別療育を行う障がい児に対する福祉サービスの一つです。
日常生活や社会生活における基本動作、コミュニケーション法、知識・技術の習得などに関するサポートをします。
子どもの障がい特性や発達段階に応じた課題、また家族に対するサポートなど総合的な支援を行っています。
利用対象は?
児童発達支援の利用対象は、集団及び個別療育が必要だと判断された0~6歳の未就学児です。
療育手帳の所有や医師の診断がなくても、障がいの状態により自治体が必要であると判断すれば対象となります。
利用方法は?
児童発達支援を利用するには、障がい児通所受給者証を自治体から発行してもらう必要があります。
住んでいる市区町村の担当窓口から申請し、審査に通るとサービス利用許可の証明書として受給者証が送られてくる流れです。
その後は一年に一度更新があり、新しい受給者証が発行されるので継続して利用することができます。
利用料金は?
児童発達支援の利用料金は9割を国や自治体が負担し、残り1割が利用者負担となり、子どもの年齢や世帯所得によって判断されます。
以下が利用料金の例です。
【無償】
・満3歳を迎えた4月1日から就学前まで
・就学前の兄や姉がいる第3子以降
・生活保護受給世帯、市町村民税非課税世帯
【利用者負担額】
・前年度の年間所得890万円までの世帯:負担上限月額4,600円
・前年度の年間所得890万円以上の世帯:負担上限月額37,200円
1回の利用は1,000円前後で、上限金額を上回ってもそれ以上の負担は生じません。
事業所によっては、おやつ・昼食・課外活動などに別途料金がかかる場合もあります。
サービス内容は?
児童発達支援のサービス内容は、厚生労働省のガイドラインに沿って各事業所が定めた支援を行っています。
具体的には「発達支援」「家庭支援」「地域支援」があり、それぞれの特徴は以下の通りです。

【発達支援】
障がい児本人が日常生活や社会生活に必要な力を身につけられるよう、将来的な自立に向けたサポートをします。
健康・生活:着替え・食事・排泄など日常的に行う基本的生活習慣における支援
運動・感覚:全身を使った粗大運動・指先を使った微細運動における支援
認知・行動:色・数・大小・長短・高低などの概念、認知における支援
言語・コミュニケーション:発語・指示の理解・言葉のやりとりにおける支援
人間関係・社会性:挨拶・返事・集団ルール・対人関係における支援
【家庭支援】
障がい児の家族が安心して育児を行えるよう、心理的・物理的なサポートをします。
例えば、保護者面談を通した発達段階や課題の把握、指導計画の共有、支援後のフィードバックなどです。
また、家庭での関わり方やトレーニング法などに関する相談や助言も行います。
【地域支援】
障がいのある子どもが地域で適切な支援を受けられるよう、子育て支援機関や医療機関などと連携を取り、サポートを強化していきます。
例えば、通っている幼稚園や保育園における集団生活の中での様子を知り、具体的な課題への取り組みに繋げていくことなどが挙げられます。
まとめ
児童発達支援には様々な役割があり、障がいのある子どもやその家族の総合的なサポートを担っています。
年齢の低いうちから適切な療育を受けることで、将来的に生活や社会の中で活かせる力が身についたり、集団生活がスムーズになったりするメリットがあります。
児童発達支援の基礎知識を理解し、必要な支援があればぜひサポートを受けてみてください。
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