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子どもが突然走り出すとき頭の中では何が起きている?

4 時間前
読了時間: 6分

「手をつないで歩いていたはずなのに、急に手を振り払って走り出した!」

「気になるものを発見した瞬間、脇目も振らず道路の方へ向かって行った…」

発達障害や発達に偏りがあるお子さんを育てる中で、こうした突然のダッシュに肝を冷やした経験はありませんか?

大人からすると、「車が来たら危ないって何度も言い聞かせているのに、どうして走っちゃうの?」と頭を抱えてしまいますよね。

ですが、子ども自身も「危ないこと」をまったく分かっていないとは限りません。

頭では「道路は危ない」と知識で理解していても、その瞬間に自分の行動に強力なブレーキをかけることが難しい状態かもしれないのです。

今回は、子どもが突然走り出すとき、その頭の中や脳内で何が起きているのかを発達の視点(脳機能や感覚統合の考え方)から紐解いてみましょう!



もくじ



 





「気になる!」が「止まろう!」というブレーキを追い越してしまう

向こうの道に大好きなはたらく車が見えた!

公園の中に楽しそうなブランコが見えた!

お気に入りのアニメキャラクターの服を着た人が歩いてきた!

このように興味やワクワクを惹くものが目に入ったとき、そこへまっすぐ直線的に向かってしまうお子さんがいます。

特にADHD(注意欠如・多動症)の特性を持つお子さんの場合、頭に浮かんだ思いつきや衝動をグッと堪えて一度立ち止まる「行動の抑制(ブレーキ)」の働きがうまく機能しにくい傾向があります。

大人であれば、「行きたい! でもここは駐車場だから一旦止まろう」と一瞬で判断できますが、子どもたちの脳内では「見つけた!→行く!」が直結して行動に表れてしまうのです。

これは「危険を知らない・反抗している」というよりも、「頭で分かっているルールを、その場の行動に瞬時に反映させることが難しい」という状態と言えますね。






目の前の情報に集中しすぎて周りの記憶がすっぽり抜け落ちる

何かに強く注意が向いた(過集中になった)瞬間、周囲の重要な情報やルールが頭の中から一時的に消えてしまうお子さんもいます。

例えば、目の前にかわいいワンちゃんを見つけた瞬間、「お母さんと手をつなぐお約束」「ここは車が通る危険な場所」といった注意が一気に薄れてしまいます。

「さっき車道に出ないって約束したでしょ?」と後から聞けば「覚えてる」と答えられても、走ったその瞬間には一時的に記憶を保持して行動をコントロールする「ワーキングメモリ」がオーバーヒートを起こしている状態です。

このように、状況に合わせて注意をパッと切り替えたり、ルールを頭の片隅に留めながら動いたりする「実行機能」の発達が追いついていないことも深く関係しています。


発達障害、実行機能、ワーキングメモリ、行動をコントロール、感覚探求、スモールステップ





体を動かす「感覚刺激」を身体が強く求めていることも

子どもが突然走り出す理由は、目の前の興味や衝動性だけとは限りません。

思い切り走ったりジャンプしたりすると、足や膝の筋肉・関節に強い手応え(固有受容覚)が伝わります。

同時に、風を切るスピード感や全身の躍動によって、耳の奥にあるバランス感覚(前庭覚)も力強く刺激されます。

発達の過程において、こうした「体への強い刺激」を脳が心地よいと感じ、自ら好んで求める(感覚探求)お子さんも少なくありません。

特に、電車の中や教室などでじっと座る時間が長く続いた後に急に走り出すような場合は、「全身の筋肉を動かして感覚のバランスを取り戻したい!」という身体的な欲求が背景にあると考えられます。






「走っちゃダメ!」より「どう動くか」を具体的に伝える

急に走り出す子どもを目にすると、大人も慌てて「走らないで!」「ダメ!」と叫んでしまいがちですよね。

もちろん、命に関わる安全面で緊急の制止が必要な場面では、まず言葉や体で安全を確保することが最優先です。

ただし日常の関わりにおいて、「走らない」という制止の言葉だけでは、「じゃあ代わりにどう動けば正解なの?」が脳内でイメージしにくいお子さんもいます。

「駐車場ではお母さんと手をギューッとつなぐ」

「この白い線の中を歩く」

「信号の前ではここで足をピタッと止める」

このように、やってほしい具体的な行動を肯定的な表現(言葉やイラスト)で伝えるほうが、理解して実行に移しやすくなります。

また、安全な公園などで「赤でピタッと止まるゲーム」を取り入れるなど、遊びの中で楽しくブレーキをかける練習をしておくのも効果的ですよ!


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放課後等デイサービスでは「走る前」にできる支援を考える

放課後等デイサービスでは、「突然走り出した」という結果だけを見るのではなく、「どんな場面やきっかけでそれが起こりやすいのか」を丁寧に観察することからスタートします。

魅力的な視覚情報があったときなのか、活動の切り替え時なのか、長く座り続けた後なのか。その背景や理由によって、アプローチの手法はまったく変わってくるからです。

例えば、お出かけの前に写真カードを使って「手をつないで移動する」お約束を共有したり、事前に目的地の見取り図を見せたり、外出前に広いスペースで思い切り身体を動かす保障をしたりと、事前の環境調整を工夫していきます。

個別支援計画に基づきながら、「走った後に注意する」のではなく、「どうすれば安全で快適に行動できるか」という予防的・スモールステップな支援を組み立てていきます。






まとめ

子どもが突然走り出してしまう背景には、脳のブレーキ(行動抑制)の未発達、注意の切り替えの難しさ、ワーキングメモリの容量、感覚刺激を求める欲求など、様々な理由が複雑に絡み合っています。

そのため、「何度言ったら分かるの!」と叱り続けるだけでは、なかなか行動の改善に繋がりにくいのが実情です。

命を守るための安全確保を最優先にした上で、「どうして走ったのかな?」「どんな環境だと落ち着いて歩けるかな?」とお子さんの特性や背景を多角的に観察してみましょう。

放課後等デイサービスでも、一人ひとりの発達特性や行動の理由をしっかりと受け止め、視覚的な提示や適切な環境づくり、達成感を味わえる練習を通して、子どもたちが自分らしく安全に行動できる力を育んでいきます。

「分かっていても、どうしてもコントロールできない瞬間がある」という温かな視点を持つことが、その子にぴったりのサポートを見つける一番の近道になりますよ!




大阪市 北区/西淀川区 【英語療育・運動あそび】

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