発達支援の段階分け、太田ステージとは
- Colorful Kids

- 10月22日
- 読了時間: 3分
発達支援の現場では、子どもの「今どんな段階にいるか」を見極めることがとても大切です。その目安として使われているのが「太田ステージ(太田・戸田モデル)」という考え方。このモデルを知っておくと、支援の方向性がつかみやすくなり、子どものペースに合った関わりがしやすくなります。今回は、太田ステージの基本と、それをどう支援に活かせるのかを紹介します。
もくじ
太田ステージとは?
太田ステージは、発達障害のある子どもの「人との関わり方」の発達を段階的に整理したモデルです。
太田昌孝先生と戸田正直先生によって考えられ、今では療育や保育の現場などでも広く使われています。
発達を次の5つの段階に分けて考えるのが特徴です。
第1段階:共鳴期(乳児期)
大人の声や抱っこなど、感覚的なやり取りを通して相手の存在を感じ取る時期。
第2段階:共感期
表情や声のトーンを通して、「楽しい」「悲しい」といった感情を共有し始める段階です。
第3段階:意図の共有期
「これをやりたい」「見てほしい」といった気持ちを相手に伝え、意図を共有できるようになります。会話の基礎が育ち始める大切なステップです。
第4段階:役割の受け入れ期
「先生と子ども」「親と子」など、社会的な立場を少しずつ意識し始めます。
ルールや順番を理解して行動できるようになっていく時期です。
第5段階:自己主張・自己統制期
自分の意見を持ちつつ、相手との関係を保ちながら調整する力が育つ段階です。

ステージを支援にどう活かす?
太田ステージは、子どもを評価するためのものではなく、「どんな関わりが今の子どもに合っているか」を考えるための指針です。
たとえば、まだ共感期の子どもに言葉でルールを説明しても、伝わりにくいことがあります。
そんなときは、スキンシップや表情で「楽しいね」「嬉しいね」と共感を深めることが大切。
逆に、意図の共有期に入った子には、遊びや会話の中でやりとりを増やしていくと、ぐっと成長が見られることもあります。
つまり、今の段階に合ったサポートを選ぶことが、無理のない発達を助けるポイントなんです。
支援者・保護者が意識したいこと
・年齢ではなく、「今どんな段階にいるか」を見てあげる。
・苦手よりも「できていること」を見つけて、そこから広げていく。
・ステージは固定ではなく、気持ちや環境によって前後することもある。

まとめ
太田ステージは、子どもの発達を理解するための“地図”のような存在です。
どの段階にいるのかを知ることで、声かけや支援の方向性が見えやすくなります。
「どう関わればいいか迷う」と感じたときは、太田ステージを思い出して、子どもの“今”を見直してみてください。
その小さな気づきが、次の成長へのきっかけになります。




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