病院から発達障害かそうでないか微妙な判定 ボーダーラインの特徴
- Colorful Kids
- 2024年12月10日
- 読了時間: 6分
病院からはっきりと発達障害だと診断される方もいますが、発達障害の診断基準を一部満たしているものの、全ては満たしていないため発達障害だと診断を受けない方もいます。
そこで、発達障害かそうでないかの判断はどこなのか、ボーダーラインの特徴について紹介していきます。
もくじ
発達障害の判定基準
発達障害は、原因が明らかになっていないので、血液検査や脳画像判断といったような確立された方法はありません。
判定基準としては、アメリカ精神医学会の診断基準である「DSM-5-TR」、WHOの診断基準である「ICD-11」といった国際的な診断基準を用いていることが多いです。
具体的には、医師が問診や行動観察を行なって、「DSM-5-TR」や「ICD-11」に満たしているかどうか、日常生活や社会生活に著しい不適切を起こしていないかどうかなど総合的に見た上で判断されます。
必要に応じて、心理検査や発達検査なども行います。
1度の検査ですぐに判断されることもありますが、何度か検査したり経過を見て診断に至るケースもあり、さまざまです。
発達障害でなくても症状が軽いわけではない
発達障害の特性は見られているけれど、判断の基準に満たない状態のことをよくグレーゾーンと言われています。
ただ、発達障害の診断が出なかったから、症状が軽いというわけではありません。
例えば、ADHDでは、不注意の診断基準の9項目のうち6項目以上が当てはまる場合に「不注意の特性がある」と診断されますが、5項目以下であれば当てはまらないのです。
他にも、6項目以上当てはまっていたとしても、その症状が幼少期からなのか、自宅や学校、職場など2箇所以上で見られるのか、他の疾患ではないか、などいろんな観点から判断が下されます。
基準を90%満たしていても、30%しか満たしていなくても、どちらもグレーゾーンになるんです。

ボーダーライン(グレーゾーン)の特徴
発達障害の診断がされなかったボーダーラインにいている人(グレーゾーン)は、発達障害の診断基準に満たなくても、発達障害や学習障害などの特徴や症状の一部が見られます。
年齢別で特徴の一部を紹介します。
●2〜5歳(保育園、幼稚園)
・気になることができたら、何をしていても途中で止めて動き回る
・癇癪(かんしゃく)が強い
・自分が言ったことをすぐに忘れる
・道順やものの位置、特定の順番で活動することなどにこだわる
・友達とうまく遊ぶことができない(状況を読むことができない)
●小学生
・忘れ物が多い
・学校のルールを守ることができない
・クラスメイトとよく喧嘩してしまう
・急な予定変更についていけない(パニックになる)
・一方的に話し続けてしまう
・授業中にじっと話を聞けずにウロウロしてしまう
・計算が苦手
・間違いが目立つ
●中学生・高校生
・場の空気を読むことが苦手
・忘れ物が多い
・思ったことをすぐに口に出してしまう
・グループ行動が苦痛に感じる
・興味のあることにのみ集中する
・物事を計画的に進めることが苦手
・苦手教科に対してより苦手意識が強くなる
ボーダーライン(グレーゾーン)の接し方
決まった方法があるわけではありませんが、その子供の特性に合わせることがとても大切です。
また、ボーダーライン(グレーゾーン)の子供というのは、発達障害の診断がされていないだけなので、診断のある子への対処法が同じように参考になります。
年齢別で接し方の例を紹介していきます。
●2〜5歳(保育園、幼稚園)
・こだわりが強い
幼児期はこだわりが強く表れることがあるので、一度始めると止めることは難しいです。
大人と違ってうまく言葉で説明ができないので、わがままに感じてしまうことがあるかもしれません。
でも、無理やり辞めさせたりするのではなく、「〇〇の後にまたしようね」など、見通しを立てて伝えるといいでしょう。
●小学生
・トラブルが多い
相手の気持ちを理解するのが苦手なことから、友達とのトラブルが多くなることがあります。
落ち着いて話を聞いてみると、言い方が攻撃的になってしまっていてわざと起こしたトラブルではないなんてことも。
注意する時に「だめ」といった否定的な言葉を使うのは避けて、「こうすればいいよ」など肯定的な表現に置き換えてみましょう。
・授業に集中できない
聞いていても理解できなかったり、先生の話を最後まで聞けなかったり、友達にちょっかいかけてしまったりすることがあります。
やることリストを作ってみたり、視覚的に何をすべきなのか、どういう時間なのかを確認する方法がおすすめです。
また、注意するときは、「授業はじっと受ける」など曖昧な言葉ではなく「わからないことがあれば手を挙げて当てられてから質問をする」など具体的なルールを教えてあげましょう。
●中学生・高校生
・学校へ行き渋りがある
子どもが学校へ行きたくない理由として考えられる要因は、人間関係や授業についていけない、ルールを守ることが難しいなど他にも複雑に絡み合っている場合があります。
無理に行かせるのではなく、なぜ行きたくないのか、悩みはないのか聞いてあげることが大切です。
反抗期で口も聞いてくれないなんてこともあるかもしれませんが、静かな部屋で一対一で話したり、紙に書いてみたりなど、「自分はあなたの味方」「困っていたら助けるからね」と伝わる姿勢で接すると良いでしょう。
また、不登校や学校内での問題に関しては、担任の先生と情報共有や連携をとりながら対処してくださいね。
・ものを忘れる
忘れ物や予定など忘れやすい場合には、スマホのTODOアプリやカレンダー、リマインダーなどを活用してみる方法があります。
あらかじめ用意しておくことで、忘れていても通知が来ることで思い出すことができるでしょう。
他にも、財布や定期などいつも持っていくものは同じ場所に置いておく、持ち物は前日に用意しておくなども効果的です。

まとめ
発達障害の診断を受けなかったけれど、発達障害の症状がある人のことをグレーゾーンと呼びます。
発達障害の診断が出なかったからといって症状が軽いというわけではなく、いろんな観点から診断されなかっただけです。
特徴としては、発達障害と同じようにじっとするのが苦手であったり、相手の気持ちを考えることが苦手などの症状があります。
発達障害の診断がされたから、されなかったからではなく、その子にあった方法で接したりサポートすることがとても大切です。
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