発達障害のある子供の親が亡くなった後
- Colorful Kids

- 3月26日
- 読了時間: 4分
親がいるうちは、発達障害あるなし関係なくサポートしていきますが、不慮の事故や病気などで親が亡くなってしまったらどうなるでしょうか?
親がいなくなってしまった後、子どものサポートはどうなるのか、将来は大丈夫なのかと心配は尽きません。
そこで今回は、発達障害のある子どもの親が亡くなった後のサポートついて紹介します。
もくじ
法定後見制度がある
法定後見制度とは、発達障害や知的障害などにより子ども本人の判断能力が不十分な場合に、家庭裁判所が成年後見人を選任し、法律行為などを支援する制度です。
この制度を利用することで、生活支援や財産管理など、判断能力が不十分な部分を補うことができます。
また、この成年後見人というのは、本人の判断能力に応じて「成年後見人」「保佐人」「補助人」の3つの種類があり、それぞれ権限が異なります。
成年後後見人・保佐人・補助人の違い
【成人後見人】
対象者の判断能力が常に欠けている状態である。
日常生活に関する行為以外のほぼすべての法律行為を、成人後見人が代理で行える。
【保佐人】
対象者の判断能力が著しく不十分な状態にある。
成人後見人よりも権限は狭いが、補助人よりも広い権限が与えられる。
ただし、重要な契約(不動産の契約など)は行うことはできない。
【補助人】
対象者の判断能力が不十分な状態にある。
裁判所から認められた一定の行為のみ、代理人や同意見、取消権を保佐人に与えられる。
このように、本人の判断能力の低下度合いが重い順に「成人後見人→保佐人→補助人」が適用されます。
成人後見人は親が生きているうちに選任できる
親が亡くなる前に、親の後に面倒を見てくれる後見人を選任することができます。
ただ、この後見人というのは家族が選ばれることは少なく、司法書士や弁護士などの第三者の専門職の人が選ばれることが多いんです。
その理由は、親族による財産の使い込みを防ぐためです。
親が生きているうちに第三者後見人を選任しておくことで、後見人と子どもとの信頼関係を築くために仲立ちできたり、子どものために親が「こうして欲しい」という希望を伝えておくこともできます。
ただし、後見人の費用は自己負担であり、地域によって異なりますが月額2〜6万円程度かかる可能性があるため、注意が必要です。

成人後見制度に適用されないケースもある
成人後見人制は、主に認知症や知的障害のある人のための制度であるため、自立活動が可能である発達障害の場合、成人後見人をつけることができないことがあります。
未成年の場合であれば、親権者の代わりに「未成年後見人」が選任されます。
成人後見人と似ていますが、親権と類似した権限を持ち、生活支援や財産管理を行うため、成人後見人を利用できなくても、法律上のサポートは受けることができます。
遺言を利用する
子どもが複数人いる場合、子ども一人一人に残せる財産が少なくなってしまいます。
遺言を作成しておくことで、財産の分配を指定することが可能です。
例えば、「発達障害のある子どもに多めの財産を相続させる」といった指定ができます。
ただし、他の子どもとのバランスを考慮しない極端な遺言(例:「全財産を発達障害のある子どもに相続させる」)は認められない場合があります。
もしできたとしても、不公平感が否めないので、兄弟間でのトラブルが生じてしまう可能性があるので、避けるべきでしょう。
必ずしも遺言が全てではありませんが、遺言で「できる」「できない」を見極めて、内容を検討して利用することは有効です。
自治体や専門家の相談窓口を活用する
基本的には、成人後見制度や遺言を利用することがおすすめですが、まだ不安な方は自治体や専門家の相談窓口を利用するのがおすすめです。
自治体の福祉課や、法律・福祉に関する専門家である弁護士・司法書士・社会福祉士などに相談すれば、適切な支援サービスや制度を紹介してもらえるでしょう。
気になることがあれば放置せず、早めに相談することで少しでも不安を減らすことができるので、早めの相談をおすすめします。

まとめ
発達障害のある子供の親が亡くなった後は、成人後見制度を利用することで、財産管理や施設利用のサポートを受けることができます。
ただし、発達障害の種類によっては成年後見制度が適用されないケースもあるため、その場合には未成年後見人制度や他の支援策を活用しましょう。
また、遺言も用意しておくことで、兄弟間の財産分配や補助内容など、指定することができます。
他にも不安がある場合は、自治体や専門家の相談窓口で支援を受けることも有効です。
親が亡くなった後の不安は大きいですが、事前に準備することで、子どもにとっても親にとっても安心できる環境と整えることができるでしょう。




コメント