怒られないようにして何もできない、にならないために
- Colorful Kids
- 4月22日
- 読了時間: 6分
勉強や日常生活の中で、ついつい怒ってばかりいませんか?
発達障害のお子さんの場合、特性によってできること・苦手なことに大きな差があることも多く、周りの大人が「ついイライラしてしまう」という場面もあるかもしれません。
もちろん、悪いことをしたら注意するのは、教育上大切なことです。
でも、子どもが「やってみたい!」と思って挑戦している時に、大人の都合や不安から止めてしまったり、うまくできないことに対して怒ってしまうことも、意外と多いのではないでしょうか。
「何かに挑戦してみたけど、うまくいかずに怒られてしまう」そんな経験を重ねるうちに「どうせまた怒られるからやらない」と、子どもが挑戦そのものを諦めてしまうこともあります。
挑戦しなければ褒められる。失敗しなければ怒られない。
そんな環境は、子どもにとって本当にいい環境なのでしょうか?
今回は、「怒られないために何もできない」状態にならないために、挑戦しないことの方が褒められるような環境はどうなのか?という視点から、考えていきます。
もくじ
子どもの失敗は成長するチャンス
発達障害の特徴のひとつに、「勝ち負けへのこだわり」があります。
こだわりが強すぎて、負けてしまった時にかんしゃくを起こしてしまったり、友達とのトラブルにつながってしまうことも。
トラブルになるからとついつい避けてしまったり、子どもがつい失敗してしまうと怒ってしまっていませんか?
子どもの失敗は、失敗と同じくらい成長するチャンスがあります。
失敗というのは、全てが悪いわけではないのです。
失敗することで成長するきっかけとして2つ紹介します。
■ 失敗から学ぶこともある
失敗をすることで、学べることはたくさんあります。
例えば、勝負事で負けてしまって特性が大きく出てしまったとしても、「負けたとしても努力したことが偉い」と繰り返し教えてあげることで、少しずつ特性が出にくくなることがあります。
結果ばかりではなく、過程を楽しむという学びを得られるのです。
このように、失敗したからこそ実感できて、次に繋げることができます。
■ 乗り越える経験になる
失敗しても、失敗しっぱなしではないですよね。
どうしたら成功できるのかって自分で考えられるようになります。
そして、自分で失敗を乗り越える経験に繋がり、同じことでは失敗しにくくなったり、似たようなことが起きても臨機応変に対応することもできます。
1度や2度の失敗だけで済むものもあれば、何度やっても失敗し続けることもあるでしょう。
例えうまくいかなかったとしても「これはなぜうまくいかないのだろうか」と考えるということが、経験の1つになります。

失敗を避ける子どもになってしまうとどうなる?
うまくいかずに失敗するごとに怒られて、失敗を恐れ、避けてしまう子どもになってしまうと、将来どうなると思いますか?
実は、打たれ弱い人になってしまう可能性が高いんです。
ずっと失敗しないということは、生きていく中で非常に難しいことです。
しかし、失敗を避け続けていると失敗に慣れていないので、失敗をした時に気持ちの整理がうまくできないので、小さな失敗であっても大きな挫折になるかもしれません。
失敗経験が少ないまま大人になると、挑戦する意欲も湧かなかったり、どうせやっても無駄と諦めやすい人になってしまうかもしれません。
大人の関わり方が子どもを左右する
子どもが失敗を恐れずに挑戦できる子どもになるのか、怒られるからやめておこうと挑戦を諦めてしまう子どもになるのかは、大人の関わり方で大きく変わってきます。

■ NGな関わり方
・大きな声で怒る
子どもが頑張って挑戦したけれど、うまくいかずに失敗してしまった時に、思わず「ダメでしょ!」「失敗するって言ったでしょ!」と大きな声で怒ってしまうことがあるかもしれません。
しかし、この時子どもの中では挑戦して失敗した内容よりも「怒られた」という印象が大きく残ってしまいます。
このように、失敗するたびに大きな声で怒られると、子どもは「怒られるなら、やらない方がいい」と挑戦することそのものを諦めてしまうことも。
また、発達障害の特性の中に、感覚過敏の子どもがいます。
大きな声で怒られると、過剰に反応してしまって、より挑戦することへの恐怖心が強くなってしまうので、感情的に大きな声を出さないようにしましょう。
・大人が先に解決する
子どもが失敗してしまった時に、どうすれば成功するのかわかる場合、つい大人が解決してしまうことがあります。
大人が先に解決してしまうと、せっかくの失敗が成功するステップを踏むことができずに、ただの失敗で終わってしまうんです。
子ども自身が自分でどうしたら成功するのか解決策を考えたりすることが大切で、せっかくの学ぶタイミングを奪ってしまってはいけません。
子どもよりも先に解決ばかりしていると「できなければ、大人が助けてくれる」「どうにかしてくれる」と自分で考えることをやめてしまったり、他人任せな思考になってしまうことも。
もし、子どもがどうしたらいいのかわからないとなってしまったら、一緒に考えてあげたり、見守ってあげるようにしましょう。
■ 失敗を怒らず、寄り添う姿勢が大切
子どもが失敗してしまった時は、まずは気持ちに寄り添ってあげましょう。
例えば、「失敗しちゃったね」「失敗してびっくりしたね」など明るく声をかけてあげるのがポイントです。
失敗したら「怒られる」「がっかりされてしまう」など、子どもは不安に思ってしまいます。
特に、発達障害を持っている子どもの中には、自分の気持ちを表現するのが苦手な子もおり、表現できずに落ち込んでしまう場合があります。
そんな時に「そんなことないよ」「いつでも味方だよ」と子どもに伝えていきましょう。
子どもが安心して、挑戦できる環境というのは大切です。
■ 親も一緒に挑戦する姿勢を見せよう
何事にも挑戦できる子どもになってほしいのであれば、親の失敗も子どもに見せることが大切です。
つい完璧な姿を見せたいと思ってしまうかもしれませんが、ちょっとした失敗談を子どもに話してみてください。
ただ「失敗しちゃったー」という話だけでなく、どんな気持ちだったのか、どう試行錯誤して対応したのか、過程についてを詳しく話すのがポイントです。
「ママも失敗するんだ!」「でも、パパと同じようにこうすればいいんだ!」と自分だけじゃなく、他の人も同じように頑張っていると感じることができ、安心して挑戦することができるでしょう。

まとめ
失敗するたびに怒られたり、周囲からの反応を気にして挑戦できなくなってしまう子どもは意外と多いものです。
一見、「挑戦しない方が褒められる」環境は平和に見えるかもしれませんが、それは子どもにとって本当に良い環境なのでしょうか。
失敗を恐れ挑戦できない子にしないために、大人の関わり方が大切です。
失敗は成長のチャンス。
怒るのではなく寄り添い、挑戦を応援しましょう。
親自身も挑戦する姿を見せることで、子どもも前向きに一歩を踏み出せるようになるでしょう。
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