発達障害の兄弟がいる子どもは何を我慢しているのか
- 7月1日
- 読了時間: 6分
発達障害のあるお子様を育てているご家庭では、どうしても日々の暮らしの中で、サポートや支援が必要な場面が多くなりますよね。
毎日全力で目の前のお子様と向き合っていると、どうしても一緒に暮らす他の兄弟姉妹のケアにまで手が回らなくなってしまうこともあります。
ふとした瞬間に「あ、気づけばこの子にばかり我慢を強いてしまっていたな……」と、胸がチクッと痛んだ経験のある保護者の方も少なくないのではないでしょうか。
兄弟姉妹たちは、幼いながらも家族の状況を一生懸命に理解しようと頑張っている一方で、自分の寂しさや甘えたい気持ちを言葉にできず、胸の奥にぎゅっと抱え込んでしまうことがあります。
今回は、発達障害のあるお子様の兄弟姉妹(いわゆる「きょうだい児」)が、日々どのようなところで我慢を重ねやすいのか、そして家族としてどんな風に寄り添っていけるのかを一緒に考えていきましょう。
もくじ
「お兄ちゃん・お姉ちゃんだから」と自分の気持ちにフタをしている
兄弟姉妹たちは、小さな頃から家庭の中で「ちょっと待ってね」「今は〇〇ちゃんが大変だから、後でね」と言われる場面がどうしても多くなりがちです。
最初は「はーい」と納得してくれていても、それが毎日のように積み重なっていくと、子ども心に「自分は我慢するのが当たり前なんだ」とインプットされてしまうことがあります。
特に年上のきょうだいは、「お兄ちゃんだから」「お姉ちゃんだからしっかりしなきゃ」と周囲からの期待を察して、自分のやりたいことやワガママを無意識に後回しにする傾向があります。
手がかからなくて偉いな、と大人は助かる反面、気持ちをずーっと押し込め続けることは、小さな心にとって大きな負担になってしまう場合もあるのです。

パパやママを困らせないように「いい子」を演じている
子どもたちは、大人が思っている以上に家庭の空気や親の表情をよーく観察しています。
「お母さんもお父さんも、毎日すごく忙しそうで疲れてるな……」
「今は弟(妹)のパニックで家の中が大変だから、余計なことは言わないでおこう」
そんな風に、自分なりに空気を読んで、健気にブレーキをかけているお子様は本当にたくさんいます。
一見すると、いつもニコニコしていて手がかからない「手のかからない良い子」に見えても、本当は胸の中で「私だって寂しいな」「もっとこっちを見てほしいな」と不満を抱えていることもあります。
「この子はしっかりしているから大丈夫!」と安心しきってしまわず、その子自身の小さなサインにも目を向けてあげることが大切です。
学校や友達のコミュニティで、周囲に理解してもらえないつらさ
兄弟姉妹が抱える悩みは、家庭の中だけにとどまりません。
学校や友達との普段の会話の中でも、ふと傷つく瞬間があります。
たとえば、お友達から「なんで君の家のお兄ちゃんだけ、いつも特別扱いなの?」「また弟くんが怒って暴れてるね」などと言われたとき、特性のことをうまく説明できなかったり、分かってもらえなかったりして悲しい思いをすることがあります。
家族だからこそ分かる大変さや愛おしさがある一方で、その複雑な気持ちを学校の友達に気軽に話して共感してもらえる相手が少ないことも、きょうだいたちにとっては孤独を感じる大きな原因になります。
口には出さなくても、本当は「自分だって思い切り甘えたい」
発達障害のあるお子様のケアが生活の中心になると、兄弟姉妹は自然と「自分の優先順位は一番最後でいいや」と諦めるような思考になっていくことがあります。
ですが、本心を言えば、他のお友達と同じように
・今日学校であったことを、最後までじっくり聞いてほしい
・自分だけの味方になって、一緒に思い切り遊んでほしい
・テストや習い事で頑張ったところを、たくさん褒めてほしい
そんな風に、パパやママを独占したい気持ちでいっぱいです。
年齢が上がれば上がるほど、プライドもあってその気持ちを絶対に口にしなくなる子もいます。だからこそ、「何も言ってこないから平気そうね」とスルーしてしまうのではなく、大人側から意識的に関わるアプローチをしていく必要があります。
放課後等デイサービスが家族のケアで大切にしていること
放課後等デイサービスは、障害のあるお子様本人だけを支援する場所ではありません。
私たちは「家族みんなを支えるチーム」でありたいと考えています。
●家族全体をあたたかく支える視点を持つ
日頃、保護者様から家庭での様子をお伺いする中で、兄弟姉妹への接し方や影響についてのご相談を受ける機会もたくさんあります。
障害のあるお子様がのびのびと安心して成長するためには、一番のベースとなる「ご家族全員が、無理なく安心して笑顔で生活できる環境」が何より不可欠だと考えているからです。
●保護者様の「心のゆとり」を生み出すお手伝い
お子様が放課後等デイサービスに通い、安全で楽しい時間を過ごしている間は、保護者様が張り詰めた緊張の糸をほぐせる貴重なリフレッシュ時間でもあります。
この時間に、たまには兄弟姉妹と2人きりで水入らずのデートに出かけたり、遮られることなくゆっくりおしゃべりを聞いてあげたりしてみてください。
それだけで、きょうだいは「あ、私はちゃんとパパとママに大切にされているんだな」と、心のエネルギーを満タンにチャージすることができます。
●完璧に「平等」じゃなくても、100点満点です!
兄弟姉妹がいると、「どっちも同じように平等に愛さなきゃ、接しなきゃ」とプレッシャーを感じて悩む保護者様はとても多いです。
ですが、医療や療育のサポートが必要なお子様がいる以上、かける時間や手間を完全に50対50の平等にすることは、物理的にどうしたって不可能です。
ここで大切なのは、時間の長さではありません。
「あなたのことも、同じようにものすごく大切に思っているよ」というメッセージを、言葉や態度でストレートに伝え続けることです。
たとえ1日に5分だけでも、一対一でぎゅっと抱きしめたり、日頃の我慢に対する頑張りを言葉にして認めてあげるだけで、子どもは抜群の安心感を得ることができます。

まとめ
発達障害のあるお子様の兄弟姉妹は、家庭環境の中でどうしても「我慢することが当たり前」の毎日になりがちです。
親を困らせないように健気に良い子を演じたり、友達に理解されないもどかしさを抱えたり、甘えたい気持ちを胸の奥に隠していたり。
だからこそ、私たちは障害のあるお子様への直接的なアプローチと同じくらい、隣にいるきょうだいたちの心にも寄り添っていくことが大切だと信じています。
兄弟姉妹もまた、家庭を明るくしてくれるかけがえのない大切な主人公の一人です。
「いつも助かっているよ、ありがとう」「あなたのことも、ちゃんと見ているからね」
そんな温かい言葉と、短くても濃密な時間の積み重ねが、子どものこれからの安心感や自己肯定感を大きく育てていきます。一人で抱え込まず、放課後等デイサービスのスタッフも上手に頼りながら、家族みんなで一歩ずつ進んでいきましょうね。
大阪市 北区/西淀川区 【英語療育・運動あそび】




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