ADHDの“遅刻癖”に隠れている本当の理由
- Colorful Kids
- 5月9日
- 読了時間: 4分
「また遅刻?」「時間にルーズだよね」
ADHDの人が言われがちな言葉。
でも、これって「だらしないから」遅刻してしまうのではなく、「脳の特性」からくる遅刻なのです。
単純に「忘れっぽいから」「集中力がないから」というだけではありません。
実は、いくつかの要因が複雑に絡み合い、結果として「遅刻につながる行動」が起きているのです。
この記事では、ADHDの人が時間通りに行動するのが難しい本当の理由を、7つの視点からわかりやすく解説していきます。
もくじ
遅刻してしまう本当の理由① 不注意
約束していた時間を間違えていたり、予定自体を忘れてしまったり…。
また、覚えていたとしても準備に取り掛かるのを忘れてしまう、ということもあります。
さらに、時間通りに出発できても、「忘れ物に気づいて取りに戻ったら遅刻してしまった」というのも、不注意による遅刻の一例です。
事前に何度も確認していても、ADHDの特性によりこうしたことが起こりやすいのです。

遅刻してしまう本当の理由② 衝動性
準備に集中しすぎて予定時間が過ぎてしまったり、支度中にふと部屋が汚いことが気になって急に片付けを始めてしまったり…。
ADHDの衝動性によって、「今やらなくてもいいこと」に突発的に手を出してしまうことがあります。
例えば、「ヘアスタイルが気に入らない」と納得いくまで直そうとしたり、予定外のことに夢中になってしまうことで、結果として遅刻してしまうのです。
遅刻してしまう本当の理由③ 時間の見通しが苦手
「13時の待ち合わせだから、12時に出発して…そのためには11時から準備して…」といった時間の逆算がとても苦手です。
計画を立てたつもりでも、見積もりが甘く、気づけば予定時間をオーバーしていたということも。
「12時に出る予定だったのに、もう10分過ぎてる!」と、時間の経過に気づくのが遅れるのも特徴の1つです。
遅刻してしまう本当の理由④ 一時記憶が苦手
「今やっていること」と「次にやるべきこと」を同時に記憶するのが苦手です。
例えば、ヘアセットに集中しているうちに、出発時間を忘れてしまう…。
1つのことに集中しすぎて他の予定がすっぽ抜ける、というのはADHDの特性としてよく見られることです。
遅刻してしまう本当の理由⑤ 整理整頓の苦手さ
持ち物がなかなか見つからなかったり、思いのほか準備に時間がかかったり…。
整理整頓が苦手な人にとっては、予定通りに準備すること自体が大きなハードルになります。
さらに「後でやろう」「なんとかなる」と先延ばしにしやすい傾向があり、結果として準備が直前になり、遅刻につながるのです。

遅刻してしまう本当の理由⑥ 睡眠障害
ADHDの人は睡眠のリズムが乱れやすく、寝つきが悪かったり、朝うまく起きられなかったりすることがあります。
アラームをかけていても起きられず、気づいた時には予定時間を過ぎてしまったということも。こうした「時間通りに起きることの難しさ」も、遅刻の大きな要因です。
遅刻してしまう本当の理由⑦ ノルアドレナリンの不足
ノルアドレナリンは、「集中力」や「やる気」に関わる神経伝達物質です。
ADHDの人はこれが少ないとされ、やるべきことにうまく集中できなかったり、緊張感を持てなかったりします。
例えば、「そろそろ出発しないと…」という状況でもどこか他人事のように感じてしまって、ギリギリになってやっと焦り始める。
そして、焦って準備に集中してしまい、遅れるという「連絡」を忘れてしまうこともあるのです。
まとめ
ADHDの人が遅刻してしまうのは、決して「怠けているから」「だらしないから」ではありません。
脳の特性によって、時間感覚・記憶・集中・整理整頓・睡眠など、さまざまな要因が絡み合って「遅刻」という結果が起きているのです。
遅刻の背景を理解することで、本人も周囲も対策を考えやすくなります。
「どうしたら防げるか」ではなく、「なぜ起きているのか」に目を向けることが、ADHDへの理解の第一歩になるのではないでしょうか。
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