ADHDの子へどんな効果？ペットセラピー

「ペットと一緒にいると落ち着く」

そんな声、聞いたことありませんか？

最近は、ADHD（注意欠如・多動症）の子どもたちに対しても“ペットセラピー”が注目されています。

動物と過ごす時間は、ただ楽しいだけじゃなく、心や行動にプラスの変化をもたらすことがあるんです。

もくじ

ペットがもたらす安心感

ワンちゃんやネコちゃんをなでていると、なんだか心が穏やかになる…。

この不思議な効果には理由があります。

動物と触れ合うと“オキシトシン”というホルモンが分泌されることが分かっています。

オキシトシンは別名「愛情ホルモン」「絆ホルモン」とも呼ばれ、安心感やリラックスをもたらすだけでなく、ストレスホルモンである“コルチゾール”を下げる働きもあるんです。

ADHDの子は集中が続きにくかったり、気持ちのコントロールが難しかったりしますが、ペットと触れ合うことでホルモンのバランスが整い、自然と落ち着ける時間が生まれやすくなります。

自己肯定感を育てるきっかけに

ADHDの子は、学校や日常生活で「できないこと」が目立ちやすく、自己肯定感が下がってしまうことも。

でも、ペットのお世話は“できた！”を積み重ねやすいんです。

例えば、「ごはんをあげられた」「散歩に連れて行けた」という小さな行動も、子どもにとっては大きな成功体験。

「自分でも役に立てるんだ」という実感は、心を強くしてくれます。

コミュニケーションの練習にも

ペットは言葉を話さないけど、ちゃんと気持ちを伝えてくれます。

しっぽを振ったり、寄り添ってきたり、甘えて鳴いたり…。

子どもはそのサインを読み取ることで「相手の気持ちを想像する力」を育てることができます。これは友達や家族とのコミュニケーションにもつながる、大事なステップなんです。

家庭で取り入れる工夫

実際にペットを飼うのが難しい場合もありますよね。

そんな時は、近所の動物と触れ合える場所に出かけたり、週末だけの動物ふれあい体験を利用したりするのもおすすめ。

また、犬や猫だけでなく、うさぎやモルモットなど、小動物との関わりも心を落ち着かせる効果があります。

注意点も忘れずに

もちろん、いい効果ばかりではありません。

動物アレルギーや衛生面のリスクは事前に確認が必要です。

また、子どもがペットに興味を示さない場合、無理に関わらせることは逆効果になることも。

さらに、ペットセラピーはあくまで補助的な支援方法です。

研究では、ADHDの子どもの注意力や情緒の安定に良い影響を与える可能性が報告されていますが、医学的な治療に代わるものではなく、補助的なサポートとして取り入れるのが一般的です。

犬や猫だけでなく、モルモットやウサギといった小動物でもリラックス効果があるとされているので、子どもに合った関わり方を探すのもいいでしょう。

まとめ

ペットセラピーは、ADHDの子どもに「安心感」「自己肯定感」「コミュニケーション力」といったさまざまなプラスの効果を与える可能性があります。

ペットと過ごすひとときが、子どもの心を支え、毎日の生活を少し楽にしてくれるかもしれません。

無理なくできる範囲から取り入れて、子どもに合ったスタイルを見つけてみましょう。

ペットがもたらす安心感