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本人が「診断名を知る」ことの意味とタイミング

  • 執筆者の写真: Colorful Kids
    Colorful Kids
  • 4 日前
  • 読了時間: 5分

発達障害の検査を受けて診断名がはっきりしても、子ども本人にはまだ伝えていないというご家庭は多いと思います。いざ伝えようとしても、「いつ・どんなふうに伝えるのがいいのか」で悩んでしまいますよね。

また、「詳しく伝えるべきなのか?」「伝えたことで逆に傷ついたりしないか?」と、不安に感じている保護者の方も少なくありません。

そこで今回は、子ども本人が「診断名を知る」ことの意味と、伝えるタイミングについて、支援の現場での経験をもとにお話ししていきます。



もくじ



 




診断名を知るということ

子ども本人に診断名を伝えるというのは、自分の特性を知って、どう向き合っていくかを学ぶ第一歩です。

単に「自分は〇〇と診断された」と知るだけでは意味がありません。

診断名を伝えることで、特性に対しての対策や代替案が生まれたり、適正な支援を受けられるなどのメリットがあります。

さらに、自分の特性を知ることで、自己理解が深まり、自己肯定感を育てることにもつながります。

だからこそ、診断名を知ることには大きな意義があるのです。






伝える前に「土台」を作ることが大切

診断名を伝えることも大切ですが、その前に「特性との向き合い方」を伝える土台づくりが必要です。

「苦手なこと」は誰にでもあります。それ自体が悪いわけではありませんが、放っておくと自信をなくす原因にもなります。

「何が苦手なのか」

「どうすればうまくいくのか」

こうしたことを一緒に考える習慣を、日々の中で少しずつ身につけていくようにしましょう。苦手に向き合えたときにはしっかりと褒めることもポイントです。

「できないことがあっても、自分には工夫できる力がある」という感覚が育つと、診断名を知ったときにも前向きに受け止めやすくなります。

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診断名を伝える「タイミング」

伝えるタイミングとしては、以下のような節目がよく選ばれています。

・進学などの環境の変化があるとき

・放課後等デイサービスなどを利用し始めるとき

・本人が困り感や違和感を感じたとき

「〇歳になったら伝えよう」と年齢で区切って伝えるよりも、本人の理解度や状況に応じて柔軟に考えることが大切です。

伝えるタイミングとは逆に、伝えてはいけないタイミングというのもあります。

それは、子どもが失敗したタイミングです。

自信を失っている状態で診断名を伝えると、「やっぱり自分はだめなんだ」と捉えてしまう可能性があります。

なるべく、気持ちが安定しているときや前向きな雰囲気の時に伝えるようにしましょう。






診断名の「伝え方」のポイント

診断名を伝えるときは、言葉選びがとても大切です。

・診断名だけを機械的に伝える

・苦手な特性にだけフォーカスしてしまう

こうした伝え方では、子どもが「自分はダメなんだ」と誤解してしまうかもしれません。

大切なのは、「診断名=その子の個性のひとつ」であるということを伝えることです。

年齢や理解度に応じて、「苦手なことがあっても大丈夫」「助けてもらっていいんだよ」と伝えながら、子どもを否定しない関わり方を心がけましょう。

伝え方に不安がある場合には、医師やカウンセラーなど専門家に相談するのがおすすめです。






診断名を伝えた後のフォローも大切

診断名を伝えた後は、子どもがどう受け止めているかを丁寧に見守る姿勢が大切です。

伝えた直後は分かったように見えても、時間が経つにつれて不安や疑問が出てくることもあります。

<子どもの反応と対処法の例>

・「自分ってダメなんだ」とネガティブに捉えている

「そうじゃないよ。〇〇が苦手な人もいれば、△△が得意な人もいる。あなたにも得意なことがあるよ」とポジティブで安心するような声をかけることが大切です。

・「発達障害って病気なの?」と誤解している

「病気じゃなくて、個性だよ」「人とちょっとだけ感じ方・考え方のクセが違うだけなんだよ」と病気ではないことを説明してあげましょう。

・「学校ではどうなるの?」と不安がる

「一緒に考えていこうね。困ったら先生や支援の人にも頼っていいんだよ」とサポート体制を伝えて、少しでも安心できるようにしてあげましょう。


<フォローするときに意識すること>

・否定せずに、受け止める姿勢を大切にする

子どもがどんな反応をしても「そう感じたんだね」とまずは共感しましょう。

子どもが話したことをすぐに正そうとせず、「話してくれてありがとう」と伝えることで信頼感につながります。

・子どもが話せる時間・場所をつくる

夜寝る前や、一緒に歩いているときなど、話しやすい雰囲気を意識しましょう。

無理に聞き出すのではなく、「話したくなったらいつでも聞くからね」と伝えておくのも効果的です。

定期的に話題にする

一度きりで終わらせず、「最近どう?」「困ったことある?」と気軽に声をかけていくことで、診断名と上手に付き合えるようになります。

本人のペースに合わせて少しずつ理解を深めていく姿勢が大切です。

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まとめ

発達障害の診断名を子ども本人に伝えるかどうかは、とても悩ましいテーマです。

ですが、「診断名を知ること」は、自分自身を理解し、前向きに歩んでいくための大切な一歩でもあります。

大切なのは、いきなり診断名を伝えるのではなく、「特性との向き合い方」という土台を作っておくこと。

子どもが安心して話せる関係性や、前向きに受け止められる環境づくりがあってこそ、診断名も「自分らしさのひとつ」として受け入れていけるのだと思います。

タイミングや伝え方に正解はありませんが、子どもにとっての“理解しやすさ”や“心の準備”を大切にしながら、寄り添っていくことが何より大切です。

不安なときは一人で抱え込まず、支援者や専門家に相談するのも一つの手。子どもと保護者、そして支援者が同じチームとして歩んでいけたらいいですね。

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