児童発達支援5領域とは?「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」
- Colorful Kids

- 4 日前
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児童発達支援では、お子さまの成長を総合的にサポートするために「児童発達支援ガイドライン」で示されている「5つの領域」をバランスよく伸ばしていくことが大切とされています。
「どんな力を見るの?」「具体的に何を育てるの?」と気になる保護者の方も多いはず。
今回は、児童発達支援で大切にされている 5領域の内容をわかりやすく解説 します。
「うちの子はどこを伸ばせそう?」と考えるきっかけにもなりますよ。
もくじ
児童発達支援5領域とは
児童発達支援では、子どもの成長を総合的にサポートするために「5つの領域」を基準として支援内容を整理しています。
これらの領域は、児童発達支援ガイドラインにも示されており、日常生活で必要になる力を幅広く育てることを目的としています。
たとえば「健康・生活」では生活習慣を整え、「運動・感覚」では体の使い方や感覚の調整を育みます。
「認知・行動」では学びの土台となる理解力や行動のコントロールを支え、「言語・コミュニケーション」では気持ちを伝え合う力を伸ばします。
さらに「人間関係・社会性」では他者と関わる力や社会のルールを学び、これら5つの領域をバランスよく育てることが大切とされています。
ここからは、それぞれの領域について詳しく説明します。

1. 健康・生活
基本的な生活習慣を身につける力
この領域では、日々の生活に欠かせない「身支度」「食事」「トイレ」「睡眠」など、基礎となる生活スキルの習得を目指します。
具体的にはこんな力
・朝の支度・荷物の整理
・手洗い・うがい
・食事のマナー
・トイレのサポート
・リズムある生活の習慣化
「できること」が増えると自信につながり、次のステップにも意欲的に取り組めるようになります。
具体的な支援内容
・朝の支度練習(視覚支援や構造化を使った流れの提示)
支度の順番を写真カードやイラストボードで示し、ひとつずつ自分で確認しながら行動します。
・トイレトレーニングのサポート
成功体験を積めるよう、トイレの時間・声かけ・成功の見える化(シール)で負担を減らします。
・食事動作の練習
スプーンの持ち方や、一口の量、姿勢の安定を支援します。
・清潔習慣の定着
手洗いのステップを歌や動画で楽しく覚えるなど、遊びを取り入れて進めます。
・危険な場面の理解
道路に飛び出さない、熱いものに触らないなどを絵カードで練習し、生活の安全性を高めます。
2. 運動・感覚
体の使い方や感覚の調整を育てる領域
発達の土台になる「姿勢・バランス・筋力」や、感覚刺激に対する反応を整えていく領域です。
具体的にはこんな力
・走る・跳ぶ・よじ登るといった全身運動
・ハサミ・お箸など手先の動き
・音、触感、光などの刺激への慣れ
・自分の体の位置を把握する力(ボディイメージ、固有受容感覚)
体の動かし方がスムーズになると、遊び・学び全体に広く良い影響が出てきます。
具体的な支援内容
・平均台やトンネル遊びでバランス感覚を育てる
楽しみながら体の使い方を覚えることができます。
・ハサミ・お箸の練習
発達段階に合わせた道具を使い、正しい指の動かし方をサポートします。
・感覚遊び(粘土・水遊び・砂遊び)
触覚刺激に慣れ、心地よい刺激を選ぶ力を育てます。
・感覚過敏への調整(防音イヤーマフ・段階的な慣れ)
無理のない範囲で音や光に慣れる練習を取り入れます。
・姿勢保持トレーニング
ジャンプ・クマ歩き・バランスボールなどを使い、「座り続ける力」の土台を作ります。
3. 認知・行動
考える力と行動のコントロール
「見て理解する」「順序立てて考える」といった認知の力や、「気持ちの切り替え」「集中する」といった行動面を育てる領域です。
具体的にはこんな力
・形・色・数量の理解
・ルールの把握
・課題への集中力
・気持ちの切り替え
・パニックになりにくい行動調整
小さな成功体験を積むことで、自己コントロールをしやすくなります。
具体的な支援内容
・絵合わせや分類遊びで考える力を伸ばす
同じ色・形・大きさを見つける活動で認知の発達を促します。
・ステップ表を使った活動の見える化
「今なにをするのか」「次は何か」を視覚的に示し、見通しを持てるようにします。
・タイマーを使った切り替え練習
時間の感覚がわかると、活動の終了が受け入れやすくなります。
・順番やルールのあるゲーム
すごろく・カードゲームなどで、ルール理解と待つ力を育てます。
・感情のコントロール練習
怒った時の対処、気持ちを言葉にする練習など、困りごとが出にくい行動を学びます。
4. 言語・コミュニケーション
ことばの理解・表現、気持ちの伝え方
相手の言葉を理解したり、自分の気持ちを適切に伝えたりするための力を養う領域です。
具体的にはこんな力
・あいさつ・お願い・断るなど基本的な表現
・語彙の定着
・質問に答える力
・会話の順番を守る
・非言語コミュニケーション(視線・表情)
コミュニケーションの基礎が育つと、周囲との関わりがぐっとスムーズになります。
具体的な支援内容
・絵カードで語彙を増やす練習
物・人物・行動を視覚で確認しながら、言葉の理解を深めます。
・簡単な質問のやり取り(誰?なに?どこ?)
短いやり取りから会話の土台を作ります。
・順番トークやロールプレイ
「相手の発言を聞いてから話す」練習でスムーズな会話を学びます。
・表情カードで気持ちを理解する
“うれしい・かなしい・怒っている”など、感情の整理をサポートします。
・コミュニケーションツールの活用(指差し、絵、PECSなど)
話す以外の方法も使いながら、伝わる成功体験を増やします。
5. 人間関係・社会性
他者と関わる力、集団でのルール理解
友達との関わり方や、社会で生きていくうえで大切なルール理解を進める領域です。
具体的にはこんな力
・友達や大人との関わり方
・順番・ルールを守る
・協力する・助け合う
・トラブル時の対処方法
・社会的なマナーの理解
安心して人と関われるようになることで、集団生活の不安も減っていきます。
具体的な支援内容
・協力ゲーム(ボール運び・ペア作業)
「一緒にやる」経験を通して関わりの楽しさを知ります。
・挨拶・返事の練習
社会参加の基本として自然にできるようサポートします。
・ごっこ遊びでの役割練習
店員さん・お客さんなど、役割を変えながら他者視点を育てます。
・トラブル時の声かけ練習
ケンカやぶつかった時に「やめて」「ごめんね」「貸して」が言えるように支援します。
・集団ルールの理解(座る・待つ・聞く)
短い集団活動から慣れていき、幼稚園・学校生活へのつながりを持たせます。

まとめ
児童発達支援で大切にしている5領域は、どれも「お子さまが将来自分らしく生活していくための土台」となる力ばかりです。
「得意なところ」「あと少し伸ばしたいところ」はお子さまそれぞれ。
多面的にサポートしていくことで、成長のペースに合わせながら無理なく力を伸ばしていくことができます。
気になる点があれば、ぜひ支援員や専門スタッフに相談してみてくださいね。
大阪市 北区/西淀川区 【英語療育・運動あそび】




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