発達障害は複数の診断名を併存することがある
- Colorful Kids
- 7月14日
- 読了時間: 3分
発達障害と聞くと、「ADHD(注意欠如・多動症)」とか「ASD(自閉症スペクトラム症)」など、ひとつの名前で呼ばれるイメージが強いかもしれません。
でも実は、お子さんによっては複数の診断名を持っていることもあるんです。
発達の特性が複数重なって現れることを「併存(へいそん)」と呼び、これは決して珍しいことではありません。
例えば「ADHD+ASD」といったように、注意力や行動面の特性とコミュニケーション面の特性が両方見られるケースもよくありますが、これはあくまでも一例。
他にも学習障害(LD)やチック、発達性協調運動障害など、さまざまな特性が重なっていることもあります。
今回はそんな「併存型」と呼ばれるケースについて、わかりやすくお話ししていきます。
もくじ
併存型ってどういうこと?
併存型とは、「ひとつの診断名だけでは説明しきれない場合」に、複数の発達障害の診断名がつくケースのこと。
例えば、
・「ADHD+ASD」
・「ASD+学習障害(LD)」
・「ADHD+チック症」
・「ASD+発達性協調運動障害(DCD)」
といったように、子どもによって組み合わせは本当にさまざまです。

特性が重なることで、困りごとにも“個性”が出てくる
特性が複数あると、困りごとの感じ方や現れ方も子どもによって違ってきます。
例えば
・集中力が続かない+感覚が過敏で教室のザワザワが苦痛
・読み書きが苦手+こだわりが強く、やり方の変更にパニック
・多動+運動のぎこちなさで、ケガが多かったりトラブルになりやすい
発達障害の困りごとだけではなく、「この子ならではの困りごと」になることもあります。

診断が増える=大変?それともヒント?
複数の診断名があると「大変そう…」と思うかもしれませんが、それはむしろ、より的確な支援を見つけやすくなるヒントでもあります。
例えば、
・ADHDの集中しにくさ → 課題を短く切る
・ASDの切り替えの苦手さ → 見通しを持たせる
・学習障害の読み書き困難 → 音声教材やICT(タブレットなどの支援ツール)を活用する
など、特性に応じた工夫や支援のアイデアが増えるのです。
診断名よりも「その子らしさ」を見る
診断名がいくつかあると、「じゃあ何が正解の対応?」と悩んでしまうかもしれません。
でも、一番大切なのは「この子がどこで困っていて、どうすればラクになるのか」を一緒に考えること。
診断名はそのための“ヒントの一つ”にすぎません。
子ども自身の感じ方や困りごと、得意なことをしっかりと見ていくことで、支援の方向性も自然と見えてきますよ。

まとめ
発達障害は、ひとつの診断名だけでは説明できないことも多く、複数の診断が重なる「併存型」もよくあります。
「ADHD+ASD」などが有名ですが、それ以外の組み合わせもたくさん存在します。
大切なのは、診断名の“数”ではなく、「その子が今どこで困っていて、どうすればラクになるのか」を知ること。
診断名にとらわれすぎず、その子らしさを大切にしたサポートを考えていきましょう。
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