全体指示が理解できない子(個別指示は理解できる)の中で起こっていること
- 5月1日
- 読了時間: 4分
「みんなに向けて説明しているのに、うちの子だけ動けていない」
「個別に声をかけるとできるのに、集団になるとできない」
このような様子に戸惑ったことはありませんか。
一見すると「話を聞いていない」「理解していない」と感じてしまいがちですが、実はその背景には、発達特性による理解の仕方の違いが関係していることがあります。
この記事では、全体指示が通りにくい子どもの中で起こっていることと、適切な関わり方について解説します。
もくじ
全体指示が苦手な理由
情報処理の特性が影響する
発達障害のある子どもの中には、情報を受け取り、整理し、行動につなげるまでの過程に特性がみられることがあります。
全体指示では、
・複数の情報を同時に聞く
・自分に必要な内容を選ぶ
・内容を理解して行動に移す
といった処理が求められます。
この一連の流れには、ワーキングメモリ(作業記憶)や注意機能が関係しています。
これらに特性があると、指示をその場で整理して動くことが難しくなる場合があります。
「自分への指示」と認識しづらい
全体に向けた指示は、「誰に向けて話しているのか」が分かりにくいことがあります。
そのため、
・自分に関係のある内容だと気づきにくい
・必要な情報を聞き取りにくい
といったことが起こります。
一方で、名前を呼ばれて個別に伝えられると、「自分への指示だ」と認識しやすくなります。

個別指示は理解できる理由
注意の焦点が絞られる
個別指示では、
・視線が合いやすい
・名前を呼ばれる
・内容がシンプルになる
といった特徴があります。
そのため、注意を向ける対象が明確になり、理解と行動につながりやすくなります。
情報量が適切になる
全体指示に比べて、個別指示は情報量が少なく、整理された状態で伝えられます。
発達障害のある子どもにとっては、この情報量と伝え方の整理が、理解のしやすさに大きく影響します。
よくある誤解
「聞いていない」わけではない
全体指示が通りにくいと、
・集中していない
・やる気がない
と受け取られてしまうことがあります。
しかし実際には、「聞いていない」のではなく、聞いた情報をその場で処理しきれない状態であることも少なくありません。
この点を理解せずに叱責してしまうと、自己肯定感の低下につながることがあります。
放課後等デイサービスでの支援方法
個別支援計画に基づくアプローチ
放課後等デイサービスでは、子ども一人ひとりの特性やニーズを踏まえて、放課後等デイサービス計画(個別支援計画)を作成し、それに基づいて支援を行います。
こども家庭庁のガイドラインでも、子どもの状態や特性を多面的に把握し、個々に応じたオーダーメイドの支援を行うことが示されています。
視覚的支援の活用
言葉だけでなく、
・イラスト
・スケジュール表
・手順カード
といった視覚的支援を活用することで、理解を助けることができます。
視覚的に情報を整理して示す工夫は、発達特性のある子どもへの支援として、教育現場でも重視されています。

指示の出し方を工夫する
具体的には、
・名前を呼んでから伝える
・短く区切って伝える
・一つずつ指示を出す
といった方法が有効です。
こうした工夫により、情報処理の負担を減らし、行動につなげやすくなります。
スモールステップで成功体験を積む
いきなり全体指示を完璧に理解することを目指すのではなく、
・一部だけ理解できた
・声かけで行動できた
といった小さな成功を積み重ねていくことが大切です。
このスモールステップが、自信と成長につながります。
まとめ
全体指示が理解しにくい子どもは、「できない」のではなく、理解の仕方に特性がある状態だと考えられます。背景には、
・ワーキングメモリの特性
・注意機能の特性
・情報処理の仕方の違い
などが関係している場合があります。
個別指示でできるのであれば、それは大きな強みでもあります。
大切なのは、
・伝え方を工夫すること
・理解しやすい環境を整えること
です。
大阪市 北区/西淀川区 【英語療育・運動あそび】




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