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判断が難しい“気づかせる”支援と“押し付ける”支援の差

  • 執筆者の写真: Colorful Kids
    Colorful Kids
  • 16 分前
  • 読了時間: 5分

発達障害のある子どもたちへの支援では、「良かれと思ってやっていること」が、いつの間にか「押し付け」になってしまうことがあります。

“気づかせる“支援“押し付ける“支援の違いとは、一体何なのでしょうか。

今回はその見極め方や、ありがちな具体例を交えてわかりやすく解説していきます。


もくじ



 




“気づかせる“支援と“押し付ける“支援の違いとは

”気づかせる”支援と”押し付ける”支援は、よく似ているように見えて、実は違いがしっかりとあります。


 “気づかせる“支援 

”気づかせる”支援では、子どもが「自分で」できるようになるためにきっかけや方法を伝える支援です。

子どもが何に困っているのか、どうすれば解決したらいいのかを理解し、子ども自身で解決できるようにサポートを行います。


 “押し付ける“支援 

”押し付ける”支援は、子ども自身が納得していないのに、大人がやり方を決めて無理にやらせる支援を指します。

支援する側は、「子どもがなぜできないのか」や「どうすればできるのか」を知っているがゆえに、「これをやればできる」とつい正解を与えたくなります。

しかしその結果、子どもは自分で答えを見つけていないので、応用が効かなくなってしまうことがあります。

また、「やらされる」ことで抵抗感が生まれたり、「言われたことだけやる」という習慣が身についてしまう恐れもあるので、注意が必要です。


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よくある“気づかせる“支援と“押し付ける“支援の具体例

<物忘れが多い子どもに対して>

【気づかせる支援の場合】

メモの書き方や使い方を教えてあげ、自分でメモを取ってもらう

【押し付ける支援の場合】

こちらがメモを書いて特定の時間に見るように強制する

 

気づかせる支援では、「なぜメモを使うのか」「どんな時に便利なのか」を子ども自身が理解し、必要性を感じながら行動できます。

一方、押し付ける支援では、メモの意味がわからないまま「とにかく見ろ」と言われても習慣化せず、結果的に身につきません。



<運動が苦手な子どもに対して>

【気づかせる支援の場合】

運動の楽しさが伝わるように、様々な体験を通じて、子ども自身が興味が持てる運動を見つけられるよう促す

【押し付ける支援の場合】

無理やり運動に参加させたり、運動することを強制する

 

気づかせる支援は、子どもが「やってみたい」「楽しい」と思える機会を作り、自発的な行動を促します。

押し付ける支援は、嫌な記憶が残ってしまい、運動に対して苦手意識が強まる可能性もあります。



<集中力が続かない子どもに対して>

【気づかせる支援の場合】

子どもに合った環境を整え、ツール(ゲームやアプリなど)も活用する

【押し付ける支援の場合】

子どもに合わない一般的に推奨された方法を一方的に適応したり、薬を無理に勧める

 

気づかせる支援では、子どもの状態に応じて少しずつ集中しやすい工夫を重ねていきます。

押し付ける支援は、たとえ意図が善意であっても、子どもに合っていなければ逆効果になることもあります。






“押し付ける“支援になってしまいやすい場面とは

「このやり方で支援しなくてはいけない」「この答えをやった方が絶対にいい」という思考の時に、“押し付ける“支援に繋がりやすいです。

また、時間がなかったり心に余裕がない時など、こちらで指示した方が早いからと、子どもの行動や思考を待たずにこちらが行動してしまうのも、よく起きる“押し付ける“支援になります。


 例えば、

・何度も同じ失敗をした時に、「もうこうしなさい!」と指示してしまう

・子どもの考えを聞かずに「前はこれでうまくいったからこのままでいいじゃない」と繰り返す

・成果をすぐ求めて、できないことに叱ってしまう


これらの対応は、どれも“押し付け“になりやすい典型的なケースです。


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“気づかせる“支援を行うための工夫

“気づかせる“支援というのは、簡単なようで意外と意識しないと難しいものです。

“気づかせる“支援を行うための工夫を3つ紹介します。


<子どもの視点で考える>

「どうして困っているのか」

「どうすれば解決できるような考えにつながるのか」

大人の視点ではなく子どもの視点で捉えるようにしましょう。

大人の視点から考えると、すぐに答えは見つけることができることでも、子どもの視点から考えるとなかなか答えに辿りつきません。答えを見つけるためには、どのようなきっかけが必要なのか、子どもの視点で考えることが大切です。


<選択肢を提示して、子どもに選ばせる>

「こうしたらいいよ」と1つの方法を指示するのではなく、いくつかの選択肢を用意し、その中から子どもが自分で選べるようにしましょう。

子ども自身が選んだ方法であれば、納得した上で挑戦しやすくなり、失敗したとしてもまた別の方法に挑戦できます。


<小さな成功体験を一緒に喜ぶ>

子どもが自分の力で課題を乗り越えたら、「よくできたね!」「自分で考えたんだね」と一緒に喜びましょう。

そうした小さな成功体験が、自己肯定感を育み、「次はこうしてみよう」という次のチャレンジへの原動力になります。






まとめ

“気づかせる“支援は、子どもが自ら気づき、行動し、成長するための手助けです。

つい「こうすればいいのに。」と大人の視点から指示してしまいがちですが、“押し付け“支援にならないためにも、そこはグッと堪えて。

子ども視点に立った“気づかせる“支援を心がけましょう。

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