切り替えが苦手な子どもへの具体的な声かけ
- 4月14日
- 読了時間: 5分
「遊びをやめられない」
「次の行動に移れない」
そんな“切り替えの難しさ”に悩む保護者の方は多いのではないでしょうか。
ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如多動症)などの特性がある子どもの中には、気持ちや行動の切り替えに難しさを示す子がいます。
無理にやめさせようとすると、強い拒否やかんしゃくにつながることもあります。
この記事では、切り替えが難しくなる背景と、家庭や放課後等デイサービスで活用しやすい具体的な声かけの工夫を紹介します。
もくじ
なぜ切り替えが苦手なのか
実行機能の特性が関係している
切り替えの難しさの背景には、実行機能の特性が関係していることがあります。
実行機能とは、目標に向けて思考・行動・気持ちを調整する働きのことです。
たとえば、
「今していることを止める」
「次にすることを考える」
「気持ちを切り替える」
といった力が含まれます。
ASDやADHDなどでは、この実行機能との関連が指摘されていますが、困りごとの現れ方には個人差があります。
見通しが立たない不安
また、見通しを持ちにくいことも大きな要因です。
「次に何をするのか分からない」
「いつ終わるのか分からない」
そんな状況では不安が高まり、今の活動を手放しにくくなります。
楽しい活動をしている最中に急に「やめなさい」と言われると、子どもが自分の中で思い描いていた流れとずれてしまい、受け入れにくくなることがあります。

NGになりやすい声かけ
ついやってしまいがちなのが、
「早くして」
「いい加減にしなさい」
「もう終わり!」
といった、強くて抽象的な声かけです。
こうした言葉は、大人にとっては当たり前でも、子どもにとっては「何をどうすればいいのか」が分かりにくいことがあります。
その結果、不安や反発が強まり、かえって切り替えが難しくなることがあります。
発達障害のある子どもへの支援では、注意を向けたうえで、できるだけ具体的に伝えることが大切だとされています。
切り替えを促す具体的な声かけ
① 予告をする
切り替えを助けるうえで有効なのが、事前に予告することです。
たとえば、
「あと5分でお片付けするよ」
「このブロックが終わったらご飯にしよう」
のように、時間や区切りを具体的に示します。
あらかじめ終わりと次の予定が分かると、子どもは心の準備をしやすくなります。
言葉だけで伝わりにくい場合は、時計・タイマー・絵カード・予定表などを使って、目で見て分かる形にするとさらに効果的です。
② 行動を具体的に伝える
抽象的な指示ではなく、今やることを具体的に伝えるのがポイントです。
たとえば、
「片付けて」ではなく
「この箱にブロックを入れてね」
と伝えます。
子どもが「何をすればいいのか」をすぐにイメージできると、行動に移りやすくなります。
発達障害支援では、抽象的な指示よりも具体的な表現が有効とされています。

③ 選択肢を提示する
切り替えを促すときは、選ぶ余地を残すことも大切です。
たとえば、
「あと1回遊ぶ? それとも今片付ける?」
「先にブロックをしまう? それとも本を戻す?」
のように、選択肢を提示します。
何もないところから決めるのは難しくても、いくつかの選択肢があると選びやすくなります。自分で選んだ感覚は、納得して次の行動に移る助けになります。
④ 小さなステップに分ける
一度にすべてを切り替えようとせず、小さなステップに分けることも有効です。
たとえば、
「まず1つだけ片付けよう」
「次はこの箱を持ってこよう」
というように、やることを細かく区切って伝えます。
一気に多くを求められると負担が大きくなりますが、ひとつずつ進めると取り組みやすくなります。
小さな成功を積み重ねることは、自信にもつながります。
環境調整も重要なポイント
切り替えの難しさは、声かけだけで解決できるものではありません。
刺激が多すぎる環境、ルールが曖昧な状況、次の流れが見えにくい場面では、誰でも不安になりやすくなります。
発達障害支援では、本人だけでなく環境を整えることが重要とされています。
たとえば、
・活動の流れを分かりやすくする
・時間や空間を見て分かるように構造化する
・落ち着ける場所やタイミングを用意する
・個別の特性に合わせて支援方法を調整する
といった工夫です。
放課後等デイサービスでの支援
放課後等デイサービスでは、子どもの発達の状況や特性に応じて、個別支援計画に基づいた支援が行われます。
こども家庭庁のガイドラインでも、個々のニーズに応じたオーダーメイドの支援や、時間や空間を分かりやすく構造化すること、安心して活動できる環境調整の重要性が示されています。
そのため事業所では、スケジュール提示、活動の見える化、個別の声かけ、段階的な支援などを通して、子どもが安心して次の行動へ移りやすくなるよう支援しています。

まとめ
切り替えが苦手な子どもには、怠けやわがままではなく、理由や背景があります。
実行機能の特性、見通しを持ちにくいこと、不安の強さなどが関係している場合があります。
だからこそ大切なのは、
・予告する
・具体的に伝える
・選択肢を示す
・小さなステップで進める
・環境を整える
といった、できる形に支援する関わりです。
家庭だけで難しさを感じる場合は、放課後等デイサービスなどの専門的な支援につながることで、子どもに合った関わり方が見つかることもあります。
一人で抱え込まず、周囲と連携しながら、子どもの成長を支えていきましょう。
大阪市 北区/西淀川区 【英語療育・運動あそび】



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